風の伝説ザナドゥの設定の移り変わり
風の伝説ザナドゥの設定の移り変わりについて色々と書いてみます。
2017年9月に渋谷で開催されたファルコム展では、「風の伝説ザナドゥⅡ-The
Last Dragon Slayer-企画説明書」が展示されていました。
「風の伝説ザナドゥⅡ-The Last Dragon Slayer-企画説明書」には、風ザナⅡ主要キャラクターの身長、体重、年齢、家族構成等々、設定が色々書かれて大変興味深い資料でしたが、風ザナⅡ最後の作品ともいえる「CDドラマ TARAKOぱっぱらパラダイス」まで完走すると、設定が変わった箇所がいくつもあり、設定の変遷を知りました。
まずは展示されていた資料のそれぞれの写真。ただ、ランディスはどうしてもガラスによる光の反射が入ってしまってこれが精一杯でした。
本編やドラマと照らし合わせると、違っている設定がいくつもあり、設定の変遷を感じます。
アリオスの設定に「年齢:19」と書かれているが、CDドラマでソフィアがアリオスより3つ年上なのを悩んでいたので、実際は18歳。
ダイモスの設定で「家族構成:なし」と書かれているが、実際は妹のリュミナが登場した。
ソフィアの設定で「年齢:17」と書かれているが、CDドラマで実年齢は21歳であり、今までの年齢は【聖女としての年齢(在籍期間)】だった。
また、ソフィアの設定で「出身地:聖地パルティア」と書かれていましたが、風ザナⅠでかげろうの町に転送された時にソフィアが
「そうだわ。まちがいない。私は、ここを知っている。私のなかの、遠く幼い頃の記憶。まだはっきりとは、してないけれど。私は、確かにここで生まれて・・・。行きましょう。アリオス。これから全てがわかるわ。きっと。」
と話していて、ソフィアの出身地がかげろうの町ということが明かされていました。
そしてこれによると、女性陣の身長はソフィア<ピュラー<メルティナ<メディアで一番低いのはソフィアなのですが、CDドラマ のジャケットイラストを見ると、メルティナ<ソフィア<ピュラー<メディアの身長順で一番低いのはメルティナということになってます。こういったところもやっぱり風ザナⅡの制作中に変わったんでしょうね。
このことから、まずはこういった企画書からスタートして、シナリオに合わせてキャラクターの個々の設定を変えていったことがわかります。
Ⅱの初期段階にはいなかったリュミナが登場したのも、スタッフが何度も話し合い、シナリオを練り上げていった過程で、ヌースとダイモスの関係に彩りを添えるために作られたからでしょう。
またソフィアが年上という設定も、とりわけ古風に育ったソフィアだからアリオスより年上ということにも敏感になって(いわゆる昔の価値観)、そこから「好きな彼より年上」ということに真剣に悩む恋する乙女という新たな側面を見せて、恋に一生懸命でライバルにも一歩も引かない健気で強い女性という、さらなる魅力にあふれたヒロインに仕立るためだったのでしょう。
設定が曖昧(もしくは大雑把)と言えばそうなりますが、だからこそ無限の可能性というか、いろんな広げ方があり、それがキャラクターをさらに魅力的にしていくんだと思います。
そしてスタッフたちが何度も打ち合わせを重ねて設定を作り上げていった結果、さらに魅力的なキャラクターたちになったわけで、そう思うと、キャラクターたちへの思い入れもよりいっそう深くなります。
個人的にCDドラマのアリオスの恋心に悩む健気なソフィアが大好きなので、「実は年上でした」設定はおいしかったです。守ってあげたくなるお姉さんって感じで…。でも、ただお淑やかだけじゃなく、怒るときは思い切り怒ったりキレたりする。好きな人を助け出そうと積極的に活動する。そういった感情豊かなソフィアを聴けるのでCDドラマは大好きです。
おまけでファルコム展の他の画像を。
貴重な「風の伝説ザナドゥⅡ-The Last Dragon Slayer-企画説明書」を展示して見せてくださり大変感謝しております。どうもありがとうございました。