コミック版風ザナについて

 

コミック版風ザナである「風の伝説ザナドゥ The Rebirth of Dragon Slayer」

当時のPCエンジン雑誌、PCEngineFAN1994年2月号~1994年9月号に連載されていました。

 

単行本化の告知がされていたのにも関わらず、単行本発売はされず、今では幻の漫画となっています。

キャラデザインやストーリーがゲームとは違っていますが、コミック版独自の展開を見せてくれているので、風ザナファンにはぜひ読んでもらいたい漫画です。一部誤植?があったりしますが、それはまあ気にしないでおきましょう(苦笑)

 

 

アリオスは一見どこにでもいるような普通の少年に見えますが、戦いでは仲間を叱咤したり、険しい表情で剣を振るうなど、主人公ならではの活躍を見せてます。

終戦ジードやソフィアの遺志を継いで戦う姿はとにかくかっこいい!です。

 

 

コミック版のジードもかっこいいです。勝手気ままで傍若無人に見えるジードの行動は実は弟を守るためだった…というのはおいしいです。

アリオスと戦い、自分の実力を見せつけて納得させたうえで、勝者の景品とばかりにドラゴンスレイヤーを持っていくのも、筋を通していて潔いです。「兄さんは強い」と素直にジードを称賛するアリオスもいい感じでした。

 

 

 

ソフィアもアリオスを励ましたり、不可思議な精神魔法で敵を瞬殺したりと、活躍してます。落ち着いた雰囲気で温厚な女の子ですが、ジードがアリオスに危害を与えると思ってかばうなど、気丈さも備えています。

アリオスたちに別れを告げてドラゴンスレイヤーの魂となる場面は何度見ても泣けます。このコミックではソフィアは神の使い(天使)としての姿に変わって消滅していきます。ゲームでおなじみのソフィアの名台詞も見事に再現しています。


 

 

メディアもゲームとは違った雰囲気で描かれてます。格闘戦で敵と戦ったり、迷うアリオスを叱咤したり、落ち込むダイモスを励ましたり、まさに頼れるお姉さん。

ソフィアとは姉妹同様に育った仲として描かれていて、メディアがソフィアの宿命を知り、自分が身代わりになると訴える場面は涙ものでした。

 

ダイモスはゲームでは逞しさが溢れる外見でしたが、コミック版では剣の腕はイシュタリア1だけど、やや頼りなげな青年になってます。看病してもらったメディアに惚れるものの、メディアにはまったく恋心に気づいてもらえずに落ち込んだり、ヘタレに見えますが、いざというときは活躍する気概を見せています。

終戦でメディアに告白した後、クレーネ・ジュエルを破壊してダルダンディスを弱体化させてアリオスサポートした場面はかっこいいです。

 

 

 

アリオスとソフィアがお互い照れながら自己紹介したり、要所要所でソフィアの肩に手をかけているアリオスとか、アリオスとソフィアの関係がさりげなく描かれてたのもよかったです。

こういった細かいところにもこだわりが感じられました。

 

 

終盤の展開(ジードの死、ソフィアの消失)はゲームと同じですが、コミック版のソフィアは人間の姿に戻りません。

戦いは終わり、ソフィアの宿ったドラゴンスレイヤーを見つめるアリオス、メディア、ダイモスの3人。ジードやソフィアの犠牲があり、戦いを終えるための悲しみや試練もあったけど、それでも、希望を感じさせる爽やかな結末でした。

 

 

年月を経ても、ひそかな輝きを持つ、風のように爽やかな漫画作品だと改めて思います。何かの機会に、どこかに再録や掲載してもらいたいです。

 

 

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