アリオスを巡る恋愛合戦
風ザナではアリオスを巡って、ソフィア、ピュラーが衝突する場面が見られました。
またCDドラマではダイモスも加わり、壮絶展開を見せていました。
アリオス自身は、世界の平和のために身を捧げる決意をしているためか、色恋沙汰には疎く、ソフィアやピュラーの気持ちにも気づくことはありませんでした。
ソフィアに対しては、同じ志(世界を守りたいという意志と宿命を持つ者)を持つ者としての親近感、彼女の神々しさと神秘的な雰囲気に惹かれているという描写はありましたが、男女の色恋には展開したということははっきりと描かれませんでした。
ある意味、アリオスとソフィアはカップルではなく、「伝説の勇者ダ・ガーン」の星史と蛍みたいに「イシュタリアを守る聖なるコンビ」だったんでしょう。
風ザナⅠエンディングでソフィアが復活してその後は各自想像してください…で終えたのは、恋愛要素をさらに入れることで、ピュラーみたいにこじれさせたくはなかったのでしょう。
ピュラーに対しても、風ザナⅠでアリオスがピュラーの気持ちに気づくことはありません。風ザナⅡでリュコスに「アリオスにはピュラーちゃんがお似合いだぜ」と言われても、はっきりと答えを出すことはありませんでした。
「CDドラマ風の伝説ザナドゥⅡヒロインたちの誕生日」のピュラーの誕生日でピュラーから「アリオスだーいすき」と言われてましたが、後のドラマで特に親しくなってたわけではなかったので、アリオスにとっては恋愛対象ではないと思っています。例えるなら、近所に住んでる小さい女の子から「お兄ちゃん大好き」と言われたのと同じ感覚だったと思います。
アリオスの恋愛についてはっきり描かれたのは、ヒロインのソフィアでもピュラーでもなく、シェリルとダイモスです。
シェリルは風ザナⅡ第四章に登場するキャラクターで、物語の進行には関わらないモブキャラです。隠しイベント用のキャラクターといってもいいでしょう。
エクトラの豪商ダイソンの長女シェリルは、街中で何度もアリオスとぶつかったことが縁となって、アリオスに一目惚れして、自分の落とし物を届けてくれたアリオスにそっと自分の部屋の鍵を渡して来てくれるように誘います。
これがシェリルのイベント「ときめきアシュナール」です。ゲーム雑誌では「夜這いにGO」とも書かれていました。ファルコム通信でも「夜這い」と言われています。
シェリルに誘われたアリオスは、夜にシェリルの部屋に訪問して彼女とロマンチックな時間を過ごし、告白を受けます。でもアリオスはシェリルの気持ちをありがたく思いながらも、「どこかで静かに暮らすことなど、私には無理な話だと思うのです。お気持ちはありがたく思います。あなたのことは忘れません。」と断っていました。ちなみにその後、シェリルがアリオスにキスをして終わりになります。
シェリルはその後に会いに行くと、「アーマーペンダント」という隠しアイテムをプレゼントしてくれて、さらに-『私だと思って、大事にしてくださいませ』とまで言ってきます。
風ザナⅡクリア後に追加されるプレミアムモードでも、キャラクター占いのコーナーに出てきて、机越しではなく、直接シェリルに話しかけると語尾にハートマークがついたこびた話し方をしていて、アリオスのことを好きなのが伝わってきました。
アリオス自身もシェリルに見とれていたことから、アリオスがはっきりと恋愛感情でときめいたのはシェリルだったのがさりげなく描かれてます。
そしてアリオスとの恋愛模様をはっきりと強く描かれたのがダイモスです。
ダイモスとアリオスの恋愛は「CDドラマ 風の伝説ザナドゥⅡヒロインたちの誕生日」の「CDオリジナルストーリー衝撃の告白ダイモスの誕生日」と「CDドラマTARAKOぱっぱらパラダイス」で描かれてます。「愛」という単語も繰り返し出て、はっきりと描かれていたのもダイモスです。
「CDオリジナルストーリー衝撃の告白ダイモスの誕生日」で、ダイモスは「実は私には心に決めた人がいるのです!」「私が愛しているその人の名は…我が主アリオス・アレクトル様です!」とプロスタに自分の好きな人はアリオスだと告白。
そしてアリオスを連れ去り、「参りましょうアリオス様!世界は広い。誰も来ない、誰も知らないところへ!そこでアリオス様と私、二人っきりで暮らすのでーす!」とローランディア号に乗って逃走。
その続きとして描かれた「CDドラマTARAKOぱっぱらパラダイス」では、ダイモスはムコルファの塔で住み込みながら、アリオスと二人で静かに暮らそうとします。
その後、探しに来たソフィアとピュラーとリュミナと口論の最中に、塔が爆発して崩壊しますが、その衝撃でダイモスは記憶を失い、アリオスではなくアレスを我が主君と思い、アリオスを突き放して、アレスを追って去ってしまいます。
今まで自分一筋だったダイモスの変貌にショックを受けたのがアリオスで、ダイモスにすがるような言葉を言いながら、ダイモスを追いかけて去ってしまいます。
アリオスがダイモスを追いかけていってしまい、残されたソフィアとリュミナは茫然自失、ピュラーはキレて叫ぶ、ソフィアとピュラーは失恋した…という結末でした。
つまり、長く続いたアリオスを巡る恋愛合戦に勝利したのは、女性のソフィアではなく、男性のダイモスでした。
公式でBLでしめられたのは珍しいのではないでしょうか。しかも元々BLゲームでもない、正統派RPGで。そういったところも、ある意味、風ザナの魅力でもあり、印象付けたことは間違いないでしょう。
最後に、風ザナのリメイクを作るなら、個人的に希望すること。
・ピュラーの性格は初期の「純真で騙されやすい」性格にして、ダイモスは恋愛感情にいたることはない普通の忠誠心を抱いているだけで「CDドラマ風の伝説ザナドゥⅡ ヒロイン達の誕生日」と「CDドラマTARAKOぱっぱらパラダイス」で見せた暴走愛に至らない…というようにして、コミック版のようにアリオスとソフィアはさりげなくいい感じに描いてほしい。
・アリオスの「女性のベッドになら誰のベッドでも潜り込んで喜ぶ変態癖を見せる蛇足イベント」と「花売り娘ルーシアに対する心の中の悪態を言う場面」はカットする。
・ⅠとⅡをカップリングした形でストーリーをまとめるなら、イシュタルの加護はあくまでソフィア限定で、ソフィアが病に倒れるのはなしにして、後でメディアとアシュナールへ来る形にして、ソフィアを最後まで参戦させる。
言うだけタダということで書きました。
イースⅣもリメイクがどれも別物と化しているので、キャラ設定やデザインが変わっていても、それが仕様ということで、ファンには受け入れられると思います。